松原アーバンクリニック 医療法人社団プラタナス

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松原アーバンクリニックからのお知らせ

第24回地域連携セミナー 質問への回答

10月26日に行われた地域連携セミナー「在宅医療と緩和ケア~緩和ケア病棟と在宅の架け橋を担う」でいただいた質問3点について、田實医師の見解として下記に回答させていただきます。ご参考にしていただけましたら幸いです。

【質問1  訪問診療所と訪問看護ステーションは同一のところがよいか?

⇒関連スライド 質問1

coffee① 講演で述べたように、「同一のところ」から提供する方が、訪問診療・訪問看護のケアの方向性(機動性・迅速性・一貫性)が一つになって、提供しやすく、より質が良くなり、効率化が促進されると思われます。

②   他に、医師、看護師などのスタッフ間で、意思伝達がスムーズになりやすいともいえます。

③ ただ、これからの時代は、同一施設内でのケアの提供を行うこと以上に、他施設との連携・共同・協調する 機会が増えてきます。であるならば、同一ではない中で、①・②のケアが提供できる工夫が必要になってくる と思います。

④ 今回のような講演会や勉強会、報告会(デスカンファレンス)などに積極的に参加し、顔と顔の見える関係;率直にいいますと心と心のわかる関係を、日々構築する努力を惜しまない事です。今後、当院でも連携・協働・協調させていただいた施設と振り返りの時(デスカンファレンス)をもちながら、(ⅰ)やりたかったこと(ⅱ)叶えさせたかったこと(ⅲ)できなかったこと(ⅳ)できたこと(ⅴ)成長できたこと(ⅵ)感動したこと(ⅶ)その他等、それぞれの職壁を越えて語り合う時をもちたく思っております・・・コーヒーでものみながら(笑)


【質問2】 肺癌の骨転移のある方を担当。往診医、在宅医の必要性を伝えているが、がんセンターからの医師と看護師の訪問を切望。どう説明してあげたらよいか悩みます。

⇒関連スライド質問2-① 質問2-② 質問2-③

tajitsu2①この質問に答える前に・・・患者様・ご家族、また治療病院の医師・看護師の疾患(ここでは、末期がん)に対する理解度・治療に対する姿勢の把握をすることが非常に大切です。具体的に言うと、講演でも述べたように、患者さん・ご家族ががんであることの認識の有無、がんが治らないことの認識の有無、がんで死にいたることの認識の有無を把握することです。別の言い方をすると、患者さん・ご家族が根治治療を望んでいるのか、延命治療を望んでいるのか、若しくは、ホスピスケア(緩和ケア)を望んでいるのかの把握をすることです。このことは治療病院の医師・看護師にも当てはまることです。

②24時間・365日の在宅ホスピス緩和ケアを提供してきた在宅医師の立場、また大学病院で勤務してきた経験から申しますと、がんセンターや大学病院でその患者さんの担当医がタイムリーな訪問診療や往診、24時間体制での緊急受診・入院を受け入れる(入院を即日受け入れる)ことは困難と思われます(質の高いケアを提供することは困難でした)。

③どうしても患者さん・御家族が理解を示さない場合は、直接その旨をがんセンターの担当医へ質問者(質問者が困難であれば、在宅医療を提供するであろう在宅医)が直接連絡をとられると良いのではないでしょうか。通常、そのような治療病院の担当医師によるサービス提供はできないといわれるケースがほとんどでありますので、そのことが確認できましたら、率直にその旨を治療病院の担当医から患者さん・ご家族に伝えることが必要かと思われます。この辺りの“曖昧さ”が患者さん・ご家族を不安にさせ路頭に迷わせる一因(がん難民)になっているものと考えられます。

④それでも頑なに治療病院による訪問を切望する場合、またそれを治療病院が行っている場合は、緊急受診・緊急入院、挙句の果ては医療に対する不信感が生じうることを周りのスタッフは覚悟する必要があります。実のところ、そのような体験を患者さん・ご家族がされることで真のケアの依頼が質問者に来ると思います(余命が残っていれば…ですが)。その時は助けてあげてください。


【質問3】今後の独居患者さんの在宅療養をうまくサポートしていくポイントについて御意見下さい。

⇒関連スライド 質問3

tajitsu3① 独居患者さんの在宅ホスピス緩和ケアについてはご希望があれば、(機会があれば)ぜひとも、講演会を企画できればと思います。

② 先述べた返答と重なる部分もありますが、独居患者さんががんであることの認識の有無、がんが治らないことの認識の有無、がんで死にいたることの認識の有無を把握すること、具体的には根治治療を望んでいるのか、延命治療を望んでいるのか、若しくは、ホスピスケア(緩和ケア)を望んでいるのかの把握をすることです。このことは“独居”であるが故にしっかりと把握して追う必要があります。また、同じくらいかそれ以上に大切な事は・・・心を許したケア提供者が時期に応じて、「自宅で最期まで暮らしたいのか?」率直にいうと、「自宅で死にたいのか?」の覚悟の確認が必要と思います。この場合、在宅ホスピス緩和ケアの概要(特に24時間・365日間の提供が可能であること、チームで支援していくこと、全人的にケアしていくこと等)を具体的に本人の理解レベルに応じて分かりやすく情報提供した上で確認する必要があります。

③ 講演の際には、述べさせていただきますが、‘救急車を呼ばない‘という理解と覚悟を本人そして、ケアを提供するスタッフ全員はもちろんのこと、本人宅に現れる知人・友人も共通の認識・理解をもつことです。例えば…つづきは、次回セミナーで…斯うご期待(笑)




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